今回は、SCTEで見てきたSDN/NFVについて書きます。
まず前提知識として、SDN/NFVが「?」の人は、以下あたりを参照して下さい。

https://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No58/0800.html
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1308/02/news006.html

何故に今回、SDN/NFVに着目していたのかといいますと、我が社の得意分野であるDOCSIS OSSIを活用したFTTH PONの仮想プロビジョニング技術であるDPoE/DPoGを動作させる統合基盤アーキテクチャーとなり得るように思ったからです。
DPoE/DPoGが「?」の人は、以下あたりを参照して下さい。

DPoE™

DPoG™


http://www.soumu.go.jp/main_content/000460734.pdf#search=%27DPoE%27
http://www.ieee1904.org/events/2014_06_workshop/s2_knittle_dpoe.pdf#search=%27DPoE%27
http://www.sei.co.jp/news/press/13/prs075_s.html
http://www.fujitsu.com/jp/group/fnets/products/pon/point.html

大手では例えばHuaweiが、自社のD-CCAP(Distributed CCAP: DCMTSと似たようなもの)概念に沿ったモジュール・機器のOSSI層の応用概念として、Remote MAC-PHYを含めてNETCONFやOpen Flowで管理するSDN概念が提唱されていましたが、SDNが主題というよりは10G-PON、D-CCAP、DOCSIS3.1の概念が混在展示されているついでといった感じで、担当員も故意に突っ込んだ方式質問をしたら対応できないなど、さほど力を入れているようには感じられませんでした。

テレコムからCATVへの新規市場参入組としては、知る人ぞ知る老舗のSpirent(本社:ウエストサセックス、英国)が、NFVを前提としたベンチマーキングやテスト&監視ソリューションを展示していましたが、分かる人にしか分からないだろう内容で、DPoE/DPoGに至っては全く触れておらず、少なくとも私には、印象に残る展示ではありませんでした。

テレコムからは他にも、Calix(本社:カリフォルニア州、米国)が”Software Defined 10G EPON”をテーマに割と派手な展示を行っていました。同社のEPON製品は、「オープンな”AXOS”基盤ソフトによりソフトウェアから一元的に各機器の構成設計・動作設定・運用管理が可能」なのが売りで、所謂SDN概念に沿って再設計されたPON製品であり、DPoE/DPoGにもSDN管理上の観点から本格的に対応しているとの事でした。
面白い製品だとは思いましたが、皮肉な言い方をすると、後発の小規模PONベンダーが大手の既存シェアを奪うべく、SDNを呼び水に特長をソフトウェア実装で補った印象を受けました。業界の目がDOCSIS3.1一色でSDNへの注目度が低い現在、マーケティング的には少々外しているというか、1~2年ほど時期尚早な気がしました。
SDN/NFVのソフトウェア専業ベンダーとしては、ADTRAN、Coriantがソリューションを展示していましたが、何れも展示内容はPC画面デモだけであり、どうにもいまいちな印象でした。

Workshopも数セッションあったので2つ程参加してみましたが、ネットワークを構造的・論理的に認識する抽象的な方法論が主であり、ソフトウェアの重要性が認識されるのはまだまだ数年先といった印象でした。

一方でDPoE/DPoGについては、偶然某PON製品ベンダーのブースに立ち寄ったら旧知がおり裏話を聞いたら、同技術へのOLT対応は全てBroadComのチップセット依存との事で、極論すると対応チップで設計するかどうかだけだそうです。彼曰く、DPoE/DPoGはブロードコムが儲けるためのビジネスモデルだ、との苦笑いでしたが、本当の所は定かではありません。

結論として、CATV業界へのSDV/NFVの浸透は未だ端緒に付いた段階、本格的に検討するには時期尚早でしたが、DPoE/DPoGは背景事情は兎も角、一応は普及期に入ったようなので、我が社としてもいよいよ、正式な対応を進めようとか思った次第でした。