「海外技術調査支援サービス」の事業化

技術展示会の調査目的で海外出張する度、現地の展示会場で日本からの視察ツアーに参加した方々のお姿を、割と頻繁に拝見します。
皆が皆、本当に技術調査目的で参加しておられる訳ではなく、仕事としての随行や人脈形成の目的もありますから、現地で気安くお声を掛けるのは憚られますが、各出展企業担当者の新製品・サービス・技術のプレゼンは、同じ日本人としてつい聞き入ってしまいます。
後ろでウロウロしながら旅行会社が手配したらしき逐次通訳の方の日本語訳を聞いていますと、「そうじゃない」という誤訳が結構あったりして、全くお呼びでないのですが、どうにもツッコミを入れたくなるような思いに駆られる事が多々あります。
思うに、特定の業界・技術に寄った技術英語と一般的なIT系技術英語の間には結構な垣根があり、分野違いであれば誤訳は当然の事であり、例えばCATV業界の技術英語であればDOCSIS3.1とかEOCとかマイクロCMTSとかDAAとか、最近の技術概念・略語をある程度知っていないと、そもそも正しい通訳は無理な気がします。

そんな事をずっと思っていた矢先、一昨年にちょっとした事情があり、敢えてCATV技術協会の企画するSCTE視察ツアーへの参加を考えた事があったのですが、パンフレットを拝見していたら、自分で組む米国出張に比べて相当に割高、その割には申込期限が90日以上前等の制約が結構多く、これで通訳がいつもの水準だったらと思うとどうにも尻込みしてしまい、結局何時もの如く一人で出張、一人で見て回りました。

改めて考えたのですが、参加者の中には人脈形成やお付き合いよりは真面目に技術を調査したいと思っておられる方々もいる筈で、そういった方々向けにより安価・柔軟・良質なサービスを提供できないかと考え、本記事のタイトルである「海外技術調査支援サービス」の事業化に思い至り、1年以上の紆余曲折の末、近々正式にサービスを開始できそうな状況にまで至りました。

具体的には、私を含めた海外が得意な業界人同士である種の人材バンクを予め形成、面白そうな展示会等があったら少人数(~5名程度)のツアーを企画、これに前述の人材バンクから誰か1名が同行する、というものです。
同行者はこの手の海外出張には慣れた者ばかりですから、レンタカーの運転や技術英語の逐次通訳、場合によっては行く先々でのちょっとした楽しみ(ワインとかショッピングとかスポーツ観戦とかゴルフとか)のアレンジも可能、更に、帰国後には編集可能形式での技術報告書をオプションとして提供します。

そうなると実態は最早旅行代理店ですから、日本で企画・販売・催行するには旅行業法に基づく各種手続き(供託や有資格者の配置等)が必須となりますが、よくよく考えてみますと我が社は米国CA州に子会社を持っていますので、こちらを主体としてCA州のSeller of Travel Licenceを正規に取得、日本の外に特化した旅行代理店として事業化すれば、合法にツアーを販売でき、かつ参加者の皆様方のリスクも、国内商品と同程度には担保できます。という事で弊社では、日本ではなく米国の旅行代理店として登録・営業する方針としました。

本当は今月のCESから催行したかったのですが、諸事情あって準備が半年ほど遅れ、第一回ツアー催行は早くて4月のNABあたりになりそうです。
1月21日現在、ツアー申込用のWebサイトを鋭意準備中であり、準備が整い次第、改めてご案内させて頂きます。
因みに同サイトのコンテンツは、今月始めに開設した「長崎事業所」のメンバーが作成・メンテしています。

p.s.
米国のSeller of Travel Licence取得迄のプロセスは割と面白かったので、近々「如何にすれば米国で旅行商品を企画・販売・催行できるか?」についても書こうと思っています。わざわざ競合を増やすような情報を拡散してどうするとのお声もあろうかとは思っていますが、私としては本事業だけで儲けようとはあまり思っておらず、業界が活性化されれば我が社の本業である自社製品の開発・販売が自ずと活性化される筈と思っており、この手のノウハウを共有する事で、海外に積極的に目を向けようとするお仲間が増え、市場が更に元気になればと思っています。
ですので、我々のアイデアをパクれるようなら、是非遠慮なくパクって下さい。業界全体が元気になれば、元よりそれが一番です。