SCTE Cable Tech EXPO 2020 – アクセス網管理へのオープンソース活用

米国EDTの10月14日(水)13:00PM-14:00PM、”Delivering the Virtualized Cable Access Network”というセッションが開催されました。
本セッションのテーマは、本来は表題にある通りのCATVアクセス網の仮想化に関するものでしたが、特に最初の発表が仮想化云々というよりもネットワーク管理へのオープンソースの活用例であり、具体的なソフトウェアを名指しするという大変興味深い内容であったので、敢えて本稿として取り上げる事にしました。

最初にComcastのLouis Donofrio氏(実は私が旧GIに勤めていた際の同僚です。Comcastにいたんですね、元気で何よりです)が、Comcastが研究開発を進めているNGAN(Next Generation Access Network)でのオープンソース活用例について説明しました。列記すると、Ansible(構成管理ツール), Docker(コンテナベースでのアプリの開発・配置・実行管理ツール), Elastic Stack(BIツール群), Kibana(Elastic用グラフ作成ツール), Grafana(グラフ作成ツール), Kubernates(コンテナオーケストレーションシステム), NGINX(軽量Webサーバー), ONOS(NFVのOpenFlowコントローラー), Ubuntu(Linuxディストリビューション)です。
これらをNFVの全体構成中のどこに配置しているかを図示しながら、Grafanaによるネットワーク監視ダッシュボード画面、Dockerによる各サーバープロセスの構成管理などが実例として紹介されました。
Comcast程の大企業が高額な商用ライセンスの束縛から脱してオープンソースを積極的に活用しようとする姿勢が印象的でした。

次に同じくComcastのJason Combs氏が、同社の推進するvBNG(Virtual Broadband Network Gateway)概念について概説しました。同概念は、DOCSIS CMTSやPON OLTなどの各種センター機器とSMS/Billing/Provisioning間の構成管理・設定通信をサービスアクティベーションレイヤーとして取り扱い、標準的なAPI群と仲介役的なデータベースを規定しようというもので、CMTSとPONを抽象化した概念がvBNG、API群と中間データベースがサービスアクティベーションレイヤーだそうです。

最後にHarmonic社のAndrii Vladyka氏が、”Virtualization and Edge Compute Evolution in Cable”という演題で発表しましたが、一般論的な内容で特筆すべき点がなかったため、本稿での解説は割愛します。

Louisが名前出しした各オープンソースは、今現在でシステムを設計・構築しようとするとそうなるよねと、私自身にも納得できるリストでした。
特にONOSあたりは私も未経験で、近々いじってみたいと思っていたアプリの一つです。
Grafanaも、デモ等を見るばかりでまだ使った事がないので結構興味ありです。
但し我が社としては、Kubernatesへの取り組みが直近の課題となる筈と思います。